自然界には、ちょっとやりすぎなヤツらがいます。
毒を食べても平気、噛まれても笑顔、死にかけても「さて、続きだ」と戦いを再開…
もはや反則!進化のバグかと思う能力をもった生き物がいるんです。
今回はそんな「地球の裏ボスたち」を一挙紹介します。
ラーテル

ギネス記録が認定する「世界一怖いもの知らずの動物」であるラーテル。
彼らがその肩書きをもっているのは、常識外れの防御力と攻撃力にあります。
その防御力とは強靭な皮膚です。
厚さは6mmにも達し、弾力があり柔軟性があるため猛獣の牙や爪が簡単には貫通しません。
もし背後からライオンなどに背中を噛みつかれても、皮膚を柔軟に伸ばし、体をひねってクルッと後ろを振り返りライオンの顔面に噛みつき返します。
多くの猛獣の顔面の弱点の1つは鼻です。
ですから、ラーテルはライオンから離れることができます。
「さあ、あとは逃げるだけ!」と思いきや、大抵の場合、逃げずに攻撃態勢に入ります。
一般的に動物は自身より目線の高い動物、毒を持つ動物を恐れます。
が、ラーテルにはその常識が一切通じません。
驚異のメンタルで、襲ってきた相手に向かって自ら攻撃しに行くのです。

さらにラーテルは、物理的な防御力だけではなく、毒への強い耐性も持ちます。
彼らは猛毒を持つコブラのようなヘビと平気で戦う上に、食べてしまうこともあります。
ヘビに噛まれたとしても、一時的にフラフラと眠ってしまうだけ。
起きたら何事もなかったかのように、「さて続きだ」と、平然と戦いを再開してしまうほどの驚異的な耐性を持っているのです。
ヒアリ

南アメリカ原産の小さなアリ、ヒアリは名前の通り、刺されると“焼けるような痛み”が走ることで知られています。
体長はおよそ2mmから6mmと小さいですが、その小ささにだまされてはいけません。
ヒアリの武器は強力な毒針です。
攻撃性が非常に高く、巣を刺激されると一斉に襲いかかってきます。
針から注入される毒には「ソレノプシン」という成分が含まれており、まるで火で焼かれたような激痛を引き起こします。
人によってはアナフィラキシーショックを起こすほどの威力があり、「火のアリ」と呼ばれるのも納得です。

そんなヒアリの特殊能力は、そのチームワークです。
洪水が起きて地下トンネルの巣が浸水すると、互いに手をとりあって筏をつくり数週間ほど水面を漂います。
ヒアリの体には水をはじく撥水作用があり、細かい毛の間に気泡を溜め込むことができます。
その一匹一匹が緊密に連結することで気泡も大きくなり、いわば巨大な浮き輪になるのです。
なので筏の底担当のヒアリも溺れずにいられます。
2017年8月に、記録的なハリケーン「ハービー」がテキサス州を襲った際には、浸水した町にたくさんのヒアリの筏が現れました
ミミックオクトパス

ミミックオクトパスは、「Mimic octopus=まねをするタコ」という名前がついているとおり、擬態をしてものまねをするタコです。
ミミックオクトパスは、他の捕食者に擬態して自分の身を守ります。
普通の擬態する生き物はひとつの擬態を極めるのですが、ミミックオクトパスの擬態の種類はとても多く、レパートリーは20種類以上あるとされています。

腕を同じ向にそろえて泳いでヒラメに擬態したり、2本の腕を広げてウミヘビに擬態したり、腕をミノカサゴのヒレのように広げたり、腕を垂らしてクラゲに擬態したり…
そのほかにも、カニやエビ、エイ、イソギンチャク、ヒトデなどにも擬態できます。
さらに驚くべきことに、獲物や敵に応じて擬態するかたちを決めているのだそうです。
ハダカデバネズミ

アフリカ東部の乾燥地帯に巨大な巣穴を築くハダカデバネズミ。
100匹以上の群れを形成し、1匹の女王ネズミだけが子どもをつく、他の個体は女王を中心とした階級社会を作るという、真社会性を持つネズミです。
見た目はギョっとする程出っ歯でズル剥けです。
が、その健康体は誰もが羨むレベルです。
彼らの体には様々な能力があります。
まず、熱や痛みを感じる受容体が機能していないため、他の哺乳類が経験するような熱や酸による痛みをほとんど感じません。
さらに、無酸素状態でも18分間生存できる驚異の耐久力を持ちます。
しかし最大の能力は癌への耐性です。
ヒトやマウスでは生涯で半数以上ががんを発症するとされています。
ですが、ハダカデバネズミは2000個体以上の観察でたった5例しかがんの発症が確認されていない、極めてがんにかかりにくい動物です。
発がん性物質を注射したり、腫瘍を移植したりしてもガンになることがほぼありません。
これは複数の防御メカニズムが働くためで、その一つは、細胞の周辺に密集した高密度のヒアルロン酸ががん細胞の増殖を抑制しているからだと言われています。
さらに彼らは非常に長寿で、他のネズミと異なり、年を取っても病気や老化の兆候が極めて少ないのです。
彼らの持つこの究極の抗老化システムとガン耐性の秘密を解明できれば、人類も老化と病気の悩みから解放されるのではと、研究が続けられています。
ベニクラゲ

ベニクラゲは、直径数mmから1cm程度の小さなクラゲで、名前の由来は透けて見える消化器官が紅色だからです。
日本の海にもいるのです。しかし、その小ささ故になかなか見つけるのが難しいクラゲです。
どうしてベニクラゲが不老不死と言われているのかというと、命の危機を察知する度に若返るからなんです。
ミズクラゲをはじめとする一般的なクラゲは寿命を迎えると亡くなりますが、ベニクラゲの場合は、死ぬ代わりに「ポリプ」に戻り、通常時と同じように成長して、また大人になっていくのです。
しかもこれはたった1度ではなく、原理的には何度でもできます。
全く同一の遺伝子(同一個体)が何度も若返る、これがベニクラゲの不老不死の仕組みなのです。
さらにベニクラゲのポリプからは、同じ遺伝子を持つ複数のベニクラゲが誕生します。
つまり若返るたびにどんどん自分のクローンが増えていきます。
しかし若返るたびにクローンが増えるとなると、海がベニクラゲだらけになってしまうのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
ベニクラゲは被食者で、成体でも直径数mmから1cm程度と小さいため、常に捕食される危険にさらされており、ほとんどの個体が他の生き物に食べられてしまいます。
捕食されたベニクラゲはもう若返ることはできません。
また海水の温度や汚れの度合いなど、海の状態によって不老不死の能力を発揮できないことがあります。
このため、ベニクラゲが爆発的に増えるという事態に陥る心配はないようです。
テッポウエビ

テッポウエビはテッポウエビ科に分類されるエビです。
わずか数cmの小さな体のテッポウエビです。
とても大きなハサミを持っていることが特徴で、このハサミを素早くかち合わせることで、プラズマの閃光を伴った衝撃波を発生させることができます。
ハサミをかち合わせた瞬間に気泡が発生して破裂することによって、プラズマの閃光と、溶岩の温度の約4倍にあたる4,400℃という超高温が発生します。
発生した気泡は瞬間的に1,000気圧に達し、同じサイズの生き物であれば、この気泡に当たっただけで一瞬で気絶するといいます。
テッポウエビはこの衝撃波を狩りや自己防衛に利用したり、珊瑚礁に巣を掘ったり、スナップ音で仲間とコミュニケーションを取ったりもしています。
サバクツノトカゲ

サバクツノトカゲは、トカゲらしからぬずんぐりとした体型をしており、「Horned toad(ツノのあるカエル)」という別名を持っているトカゲです。
カナダ南部からグアテマラにかけての砂漠地帯などに生息しています。
サバクツノトカゲがすごいのは防衛手段を多く持っていることです。
まず、ずんぐりとした平らな体を活かして地面に擬態することで、天敵から気づかれないようにしています。
もし天敵に見つかってしまったら、体を風船のように膨らませることで敵をひるませて威嚇します。

それでもダメな場合には、とっておきの防衛術があります。
天敵の目を狙って自分の目から血液を放出するのです。
血液には、天敵となるイヌやオオカミ、ネコ科の動物が嫌がる成分が含まれています。
しかしこの攻撃では体内の三分の一もの体液を使うため、まさに捨て身の防衛術といえます。
ハチドリ

ハチドリは鳥類で最も体が小さく、体重は2gから20g程度です。
毎秒55回もの高速の羽ばたきをすることができ、空中で停止(ホバリング)しながら花の蜜を吸います。
また、時速約96kmというすさまじい速さで移動することもできるのです。
昆虫を除いた全ての動物の中で最も代謝が活発とされるハチドリの心拍数は毎分1260回で、飛んでいる時の筋組織の酸素消費量は、アスリート選手の10倍にもなると言われています。
ハチドリは止まっているときも代謝が激しいので、睡眠するたびに10%も体重が減ってしまいます。
なので、エネルギーの消費を少しでも抑えるために、まるで冬眠する動物のように体温を低下させて心拍数も低下させながら睡眠をとるのです。
デンキウナギ

南米アマゾン川流域に生息するデンキウナギ。
ウナギと名がついていますが、分類学的にはウナギではなくナマズやコイと同じグループ(骨鰾上目)に属する魚です。
全長約2m、体重20kgを超えるほど巨大に成長します。
デンキウナギはその名の通り非常に強い電気を生み出します。
筋肉細胞が変化した数千もの発電細胞が体長の約8割を占める尾部に並んでおり、最大で860ボルトにも達する強力な電気を放電することができます。
これは人間を一時的に麻痺させるのに十分な高電圧です。
この電気は、獲物を仕留めたりワニなどの捕食者を撃退したりするための強力な武器となります。
しかし、彼らの能力は攻撃だけにとどまりません。
電気ウナギは普段はごく弱い電気パルスを放出し、周囲の水を電気でスキャンしています。
これは暗く濁った水の中でも、自分のいる場所や障害物、獲物の位置を正確に感知する、一種の水中ソナーのような役割をしているのです。
プラナリア

プラナリアは体長が約5mmから3cmで、体は平べったく、頭部は三角形をしています。
世界中の淡水域に広く分布しており、日本でも見つけることができ、石や水草にくっついていたり、水底を這うようにして生活しています。
そんなプラナリアの能力は、あらゆる生物が羨む究極の再生能力です。
なんと、体を切られても完全な個体として復活するのです。
例えば身体を3つに切れば、頭からは腹部から下、尾部からは頭部と腹部、真ん中の断片からは頭部と尾部の両方が再生し、3匹のプラナリアになります。
プラナリアは体を切断されると、まず傷口を塞ぐために周囲の細胞が集まってきます。
傷口が塞がると、次に幹細胞が活発に分裂を始め、失われた組織や器官を再生していきます。
この幹細胞は、身体のどの部分が失われたかを検知し、必要に応じて脳や心臓、眼などの複雑な器官を再構築する能力を持っています。
プラナリアの幹細胞は、体の設計図を持っているかのように、正確に再生を行うことができるのです。
バシリスク

バシリスクは、南アメリカ大陸の南部に多く生息しているトカゲです。
全は70cm前後、体重は300gほどになります。
バシリスクの仲間には、最大種となるチャイロバシリスクや、鮮やかな緑をしているグリーンバシリスク、ノギハラバシリスクなどの種類がいます。
バシリスクは水辺の木などで獲物を待ち構えていますが、身の危険を感じると、水面を全力疾走で駆け抜けて逃げ去るのです。
イエス・キリストが水の上を歩いたという伝説があることから、「キリストトカゲ(Christ Lizard)」というあだ名も付いています。
バシリスクが水面を走れる秘密は後肢にあります。
後肢の指はとても長く、皮膚にフサがついています。
この指のおかげで水の抵抗を増し、足と水面の間に空気をいれることで沈まずに走ることが出来るのです。
カンガルーネズミ

カンガルーネズミは雨も植物も少ない北アメリカ南部の砂漠に住む哺乳類です。
体長10cmから20cmで、とても長いしっぽと後ろ足をもちます。
このしっぽと足を使って、まるでカンガルーのように跳ぶことができるため、カンガルーネズミという名前がついています。
また、通常生き物は水を飲まないとすぐに死んでしまいますが、カンガルーネズミはなんと3年間も水を飲まなくても死にません。
餌としている植物や植物のタネに含まれる水分だけで生き延びることが出来るのです。
カンガルーネズミの巣の中には通路とつながったいくつかの小さな部屋があり、ひとつの部屋の直径は25cm程で、なんと6kgもの種を保存できます。
そして、その巣の出入口は数ヶ所あり、日中は出入口にフタをしておくことで、巣の中の湿度を外に漏らさないようにしています。
コトドリ

コトドリは全長80cmから100cmの鳥で、オーストラリアの国鳥です。
コトドリの特殊能力は音の真似で、様々な音をコピーすることができます。
その音は、動物の鳴き声や自然界に存在する音だけでなく、チェーンソーやカメラのシャッター、車のブレーキ音といった人工的な音もマネできるのです。
コトドリが生息している地域では、決して子供の名前を呼んではいけないと伝えられています。
親が子供を呼んだ声をコトドリに聞かれてしまうと完璧に真似をされ、子供がコトドリの声を親の声と思い込んでついていってしまい、迷子になるかもしれないからです。
カーディナルフィッシュ

カーディナルフィッシュは、スズキ目テンジクダイ科の魚です。
カーディナルフィッシュは口から青白い炎のような光を吐き出して自分の身を守るという能力があります。
この光は自ら作り出しているわけではなく、ウミホタルを捕食することで生じる現象です。
ウミホタルは発光できるプランクトンで、化学物質のルシフェリンとルシフェラーゼを作り出し、刺激を受けるとそれを混ぜ合わせて発光するのです。
カーディナルフィッシュがウミホタルを捕食して、危機にさらされた時に、体内のウミホタルを一気に放出することで、口から光が発射されるのです。
オラヴィウス・アルガルヴェンシス

オラヴィウス・アルガルヴェンシスは、コイルのようにクルクルとした体をしている生き物で、
内臓器官のようにみえる不思議な生き物です。
オラヴィウス・アルガルヴェンシスには、口や胃、腸といった消化器官がありません。
そして腎臓や肛門もないのです。
じゃあどうやって生きているのかというと、体内には4種の共生細菌がおり、その細菌が栄養分を作り出したり体内で不要になった廃棄物を処理したりしているのです。
見た目こそちょっと気持ち悪いですが、ゴミを出さない究極のエコ生物です。

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